化学物質のリスクアセスメント
- IMAISR

- 2020年10月30日
- 読了時間: 4分
一定の危険有害性のある化学物質について、事業場におけるリスクアセスメントが義務づけられています。

化学物質のリスクアセスメントについて
|化学物質のリスクアセスメントとは
化学物質やその製剤の持つ危険性や有害性を特定し、それによる労働者への危険または健康障害を生じるおそれの程度を見積もり、リスクの低減対策を検討することをいいます。
|対象となる事業場
業種、事業場規模にかかわらず、対象となる化学物質の製造・取扱いを行うすべての事業場が対象となります。
製造業、建設業だけでなく、清掃業、卸売・小売業、飲食店、医療・福祉業など、さまざまな業種で化学物質を含む製品が使われており、労働災害のリスクがあります。
|リスクアセスメントの実施義務の対象物質
実子義務の対象物質は、673物質あります。(2018年7月1日)
673物質は以下のサイトで公開しています。
事業場で扱っている製品に、対象物質が含まれているかどうか確認しましょう。
|リスクアセスメントの実施体制
事業の実施を統括管理する人(事業場のトップ)がリスクアセスメントなどの実施を統括管理
労働者を指導監督する地位にある人(安全管理者、衛生管理者、作業主任者など)がリスクアセスメントなどの実施を管理
化学物質などの適切な管理について必要な能力がある人がリスクアセスメントなどの技術的業務を実施
必要に応じ、化学物質の危険性と有害性や、化学物質のための機械設備などについての専門的知識のある人が対象となる化学物質のリスクアセスメントなどへの参画
より詳細なリスクアセスメント手法の導入など、技術的な助言を得るために外部の専門家(労働衛生コンサルタント、労働安全コンサルタント、作業環境測定士など)の活用もお勧めします。
|リスクアセスメントの手順
1.化学物質などによる危険性、有害性の特定
化学物質などについて、リスクアセスメントなどの対象となる業務を洗い出した上で、 SDSに記載されているGHS分類などに即して危険性または有害性を特定します。

2.リスクの見積もり
チェックシートを作成し、下記の方法等を用いてリスクの見積もりを行います。
マトリクス法
数値化法
枝分かれ図
コントロール・バンディング
災害シナリオによるスクリーニング
チェックシートの例


3.リスク低減措置の内容の検討
リスクアセスメントの結果に基づき、労働者の危険または健康障害を防止するための措置の内容を検討します。
4.リスク低減措置の実施
検討したリスク低減措置の内容を速やかに実施するよう努めます。 死亡、後遺障害または重篤な疾病のおそれのあるリスクに対しては、暫定的措置を直ちに実施してください。
リ スク低減措置の実施後に、改めてリスクを見積もるとよいでしょう。
リスク低減措置の実施には、例えば次のようなものがあります。
危険有害性の高い物質から低い物質に変更する。
温度や圧力などの運転条件を変えて発散量を減らす。
化学物質などの形状を、粉から粒に変更して取り扱う。
衛生工学的対策として、蓋のない容器に蓋をつける、容器を密閉する、局所排気装置のフード形状を囲い込み型に改良する。
発散の少ない作業手順に見直す、作業手順書、立入禁止場所などを守るための教育を実施する。
防毒マスクや防じんマスクを使用する。ただし、使用期限(破過など)、保管方法に注意が必要です。
実施報告書の例


5.リスクアセスメント結果の労働者への周知
リスクアセスメントを実施したら、以下の事項を労働者に周知します。
・周知事項
対象物の名称
対象業務の内容
リスクアセスメントの結果(特定した危険性または有害性、見積もったリスク)
実施するリスク低減措置の内容
・周知の方法は以下のいずれかによります。
作業場に常時掲示、または備え付け
書面を労働者に交付
電子媒体で記録し、作業場に常時確認可能な機器(パソコン端末など)を設置
|その他
法に基づくリスクアセスメント義務の対象とならない化学物質などであっても、リスクアセスメントを行う努力義務がありますので、上記に準じて取り組むように努めてください。
今回の説明は、ひとつの例ですので、職場にあったリスクアセスメントを検討し、職場全員で取り組んでいき、化学物質による災害を未然に防いでいってください。
それでは、 「ご安全に!」

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